第11回音声学入門講座報告(音声学普及委員会)

2013年4月3日
  • 日時: 2013(平成25)年3月31日(日) 13:00~16:00
  • テーマ:音声の音響分析の「いろは」 ~初めて音声波形を見る方へ~
  • 講師: 峯松信明先生,齋藤大輔先生(東京大学)
  • 会場:東京大学本郷キャンパス。工学部2号館10階101B号室(電気系会議室5)
あいにくの天候にもかかわらず、佐賀、岡山、広島、札幌など遠方からも多くの参者があり、熱気にあふれた講座でした。
講座は2部構成。
第1部は峯松先生:音響分析をするために基礎的な知識の講義。
調音音声学を音響音声学の視点から見た話で、口の構えの違いは「口の中のすき間の形状の違い」と同じで、楽器の管の形状が違うと音色変わるのと同じように、「口の中のすき間の形状の違い」で出る音声が違うこと。音声をどのように物理現象として記述するか、実習で観る予定の波形、スペクトログラム、スペクトルが何を表しているか、どのような関係になっているかについての解説があり、それぞれの側面を統合して考えることの大切さが語られました。
第2部は齋藤先生:実習。
Wavesurferを初めて使う人を対象に録音時のマイクロフォンの調整、録音、再生について丁寧な説明があり、波形の表示、フォルマントや基本周波数を出すなどソフトの基本を、意外と正確に理解されていない点を第1部の講義と関連づけて説明と操作の実習がありました。
また、データを保存する際の工夫などは、普段使い慣れている人でもあまり知らない裏技が教授されました。

今回は、その場で入会して下さった受講生もいて、アンケートでも、期待以上だったとか、続編を希望するなどの声が多く、今回も希望者が多くて、会場の都合でお断りをした方もあったことを考えると、今後もこのような活動に対する需要が高いことを痛感しました。